ロシア5人組

ロシア5人組

ロシア5人組

2023/09/18

【ご注意】このブログはVIDEO-GOISのスタッフに向けて、クラシック音楽に親しんでもらい、作品のスキルアップを目指してもらうことを目的として開始されました。そのストックを公開しているもので、表現や内容、考え方について専門的なものではございませんのであらかじめご了承ください。



今日は中部大学の定期演奏会の収録に来ているんだけど、そのプログラムにカリンニコフの交響曲第1番が入っているんだよ。

ここ数年、この曲が演奏されることが多くなってきていて、結構聞きやすい曲でカリンニコフのことを書こうと思ったのですが、その際、どうしても「ロシア5人組」の事に触れないと話が長くなってしまうので、今週はロシア5人組について触れてみますね。


ネーミング的にになんか、地下組織とかマフィアとか・・・。やばそうな感じがしますが、

その実態は、ロシアの音楽家5人がロシアの音楽作品における民族的な文化をもっと広めようぜ!ということで集まった5人なんだ。


ミリイ・バラキレフ(1837年 - 1910年)

ツェーザリ・キュイ(1835年 - 1918年)

モデスト・ムソルグスキー(1839年 - 1881年)

アレクサンドル・ボロディン(1833年 - 1887年)

ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844年 - 1908年)


この5人なんだけど、少しクラシックに詳しい人は下の3人は名前を聞いたことがあるんじゃないかな?

でも、バラキレフ、キュイなんて人はちょっと知らない。


たぶん、めちゃくちゃうるさい事言う面倒な人の集まりだったのではないか?と想像してしまう。5人が集まって「最近出てきたあの作曲家は西洋音楽の真似事ばかりやってけしからん!」とか「あの指揮者が選ぶプログラムはベートヴェンが多くてけしからん!」とかこんな感じ?


実際は、この5人が頻繁に集まって悪口大会をやっていたわけではなく、精神的な論理の志が同調できるメンバーであって、決して結束が高かったわけではない。

その精神的な論理とは、当時のロシア芸術会は、西欧と比べてあまりにも貧弱で、そして、ロシア内では西欧音楽が溢れていた。


ロシアの民俗的な思想をベースにした芸術作品を作らないとロシアの芸術は没落してしまい、西欧芸術に飲み込まれてしまうと危機感を持っていたのである。

であるからにして、この5人はロシアの民俗的思考を自分たちの作品に入れていったんだよ。


チャイコフスキーもこのロシア5人組との接点は少しだけあって、幻想序曲「ロメオとジュリエット」を作曲したあたりから少なからず影響が出始めているんだよ。でもチャイコフスキーはこの5人組とは常にある程度の距離をとっていたらしい。それは、前にも書いたが、彼の父はフルートを吹き、フランス出身の母がおり、幼少の頃は西欧音楽をたくさん聞いていた。そんな影響があったのではないかと思っています。


さて、このロシア5人組の基本的な思想ですが、やはり少し尖っているんだよね。

この17世紀中頃のロシアとは、フランス、オスマン帝国、イギリスを中心とした同盟軍との戦争で、ロシアの後進性が露呈し、内政改革をしないと行けない状態であった。工業化が進むフランス、イギリスに大きく遅れをとっていたんだよね


それは文化芸術面でも差をつけられていて、それに焦りを感じていたロシアの音楽家が立ち上がったという感じなんだよね。

そんなこともあり5人の共通理念は反西欧・反プロフェッショナリズム・反アカデミズムを標榜することと定義されているんだよ。



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