超多忙だったチャイコフスキーが取った手は?
超多忙だったチャイコフスキーが取った手は?
【ご注意】このブログはVIDEO-GOISのスタッフに向けて、クラシック音楽に親しんでもらい、作品のスキルアップを目指してもらうことを目的として開始されました。そのストックを公開しているもので、表現や内容、考え方について専門的なものではございませんのであらかじめご了承ください。
この頃チャイコフスキーはヨーロッパ各地で演奏活動をしていて超多忙でした。
そんな中、アメリカのカーネギーホールのこけら落し公演に招待され1891年5月にアメリカに渡っています。
カーネギーホールとは、アメリカニューヨークにあるクラシック音楽ホールで、アメリカのクラシック音楽を牽引してきた役割も担っています。
客席は2800席。かつては、ニューヨークフィルハーモニーの本拠地でもありました。ニューヨークフィルが別のホールに移転してからは、ここを本拠地とするオーケストラはありませんが、年間250回公演が入っており、今でもアメリカにおけるクラシック界の中心と言えます。
日本のサントリーホールみたいな感じかな?かつて、ジャズドラマー(ドラム奏者)の猪俣猛さんが、日本から初めてジャズ奏者としてこのカーネギーホールで演奏したエピソードを読んだことがありますが、厳格なクラシック専用のコンサートホールでジャズ奏者が演奏するには大変な苦労があったようです。
しかも、その旅の途中でエリック宮城さんと喧嘩して、それ依頼共演NGとなるなど、まあ面白い本でした。
そんなカーネギーホールですが、初演も多く、皆さんがよく知っているドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」もカーネギーホールで初演されているんですよ。
さて、話は戻りまして、チャイコフスキーがこのカーネギーホールでのこけら落しで演奏することになったのですが、前述しましたが、チャイコフスキーは本当に忙しくて、新曲を書く暇がなかったんですね。
そこで、作曲途中だった「くるみ割り人形」の中から8曲を抜粋して、演奏会組曲にして演奏会のプログラムに載せようと考えたのです。
そして、この時の演奏は大成功に終わり、組曲「くるみ割り人形」はバレエより先に音楽が高い評価を確立してしまうのです。
このように先に組曲が発表されるケースは珍しく、バレエが初演された段階ですでに音楽的評価はそれなりにあったものだったということです。
演奏会用組曲「くるみ割り人形」
https://www.youtube.com/watch?v=GiEIe0ClGIM
第1曲 小序曲 (Ouverture miniature)
第2曲 行進曲 (Marche)
第3曲 金平糖の精の踊り
第4曲 ロシアの踊り(トレパック)
第5曲 アラビアの踊り (Danse arabe)
第6曲 中国の踊り (Danse chinoise)
第7曲 葦笛の踊り (Danse des mirlitons)
第8曲 花のワルツ (Valse des fleurs)