交響曲第6番「悲愴」はチャイコフスキーの遺書?
交響曲第6番「悲愴」はチャイコフスキーの遺書?
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チャイコフスキーの作った交響曲は6つあると先週書きましたね。その最後の交響曲が交響曲第6番「悲愴」なのですが、この曲はチャイコフスキー自身も「自分の作品の中で最も誠実な作品」と語っているほどの最高傑作の曲なんです。皆さんには一度は聞いてほしい曲でもあるのですが、とにかく構成が素晴らしい。
チャイコフスキーはこの交響曲第6番全般を通して、彼の人生を表現したと言われており、「悲愴」と言う表題は彼自身がつけたものと最近の研究で確定しています。
日本語では「悲壮」ではなく「悲愴」と表現されているのは、彼の人生においての絶望感がこの字に表現されていて、これはこの曲の4楽章を聞いてもらえるとイメージがしっくりくると思います。
チャイコフスキーはこの曲を書く前の構想で、各楽章に表題をつけていて、1楽章は「すべての情熱、自信、活動への渇望」、2楽章は「愛」。3楽章は「失望」そして4楽章に「死」と表現していました。最終的にこの構想は変更されますが、その名残で4楽章はやはり彼自身の死を予感できる曲になっていると思います。
途中ファゴットがどこまでも下へ下へ音階がゆっくり降りていくところは、地下深い暗黒の世界へ自ら進んでいくありさまを彷彿させ、その後ゴングが1発鳴らされて、終わりを迎える。 本当によくできている曲です。
ちなみにこのゴング(ドラ)は、この曲を通してこの1発しか出てきません。この1発だけのためにゴングが用意されているので、撮影の時は絶対に外さないでね。
とにかく全体を通してとても聞きやすいし、イメージしやすい曲です。しかもアマチュアオケがよく演奏する曲でもあります。
みんな一回は聞いてみてね。