メンデルスゾーン交響曲第3番「スコットランド」
メンデルスゾーン交響曲第3番「スコットランド」
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今、このコラムは名古屋シンフォニア管弦楽団のリハーサル中の、スコットランドを聞きながら書いています。
この曲は20代のときに旅行した先、スコットランドを訪れたときに構想を始めたのですが、実は完成までに10年の歳月がかかっています。
もちろんその間に多くの曲を作曲しているわけですが、なぜかこの曲だけ時間がかかっています。
メンデルスゾーンは交響曲を5曲作曲しているんだけど、一番最後に完成したのがこの曲なんだよ。
あれ?なぜ交響曲第3番なのかと疑問に思ったかもしれませんが、出版順が3番目だったので交響曲第3番となったそうですよ。
はじめにも書きましたが、私はこの曲を聞いてスコットランドという場所をイメージしました。曲中には本当に広々した大地を思い浮かべる描写がたくさん出てきます。
しかし、冒頭の重苦しい出だしはどんな思いが込められていたのか?
確かに、曇天の低く浮かぶ黒い雲が果てしなく広がる感じはしますが、それにしても終始重い。重すぎるのです。描写だけでは説明できないそんな気がしました。
この部分について、ある文献では、メンデルゾーンがライプツィヒのゲヴァントハウス管弦楽団での功績を認められ、3倍のギャラでベルリンの音楽会の改革のために呼ばれるのです。しかし、それはうまく行かず、メンデルスゾーンは何度も失望します。この失望が交響曲第3番の冒頭部分に表現されているという話もあります。
なるほどね。だからこんなに重苦しいんだ。挫折を味わったことのなかったメンデルスゾーンにとって、ベルリンでの挫折は苦しかったんだね。
ちなみにメンデルスゾーンの交響曲は全般的にわかりやすいというか、描写がたくさん出てくるのが特徴で、初心者にも聞きやすいと思います。
また、演奏面ではそれなりにテクニックが必要で、冒頭でも書きましたが、オーケストラのオーディションでも課題曲になることもあるほどなんです。
でも、感情豊かな表現が多くて、演奏している方は気持ちいいのです。でもちょっと、演歌ぽいというか、クサイ部分もあって笑えちゃうんですけどね。
メンデルスゾーン :交響曲第3番「スコットランド」
https://www.youtube.com/watch?v=rw6slNXSzNg