ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」第4楽章
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」第4楽章
【ご注意】このブログはVIDEO-GOISのスタッフに向けて、クラシック音楽に親しんでもらい、作品のスキルアップを目指してもらうことを目的として開始されました。そのストックを公開しているもので、表現や内容、考え方について専門的なものではございませんのであらかじめご了承ください。
この第4楽章では、これまでに使われた事がなかった、ピッコロとトロンボーン、コントラファゴットを使っているんです。聴衆はこの響きを初めて聞くことになるんだよね。でも意外ですね、トロンボーンなんかもっと古い時代からあるもんだと思っていたよ。
第4楽章は戦いの楽章とも言われていて、前述のピッコロ、トロンボーン、コントラファゴットが入ることにより、軍楽隊のイメージが表現されこのように言われているんです。
では何と戦っているのかというと、第1楽章からずっと表現されている、ベートーヴェン自身が感じてきた、孤独や恐怖、絶望との戦いなんです。
この第4楽章ではハ長調で演奏されており、ハ短調で始まった恐怖や絶望からハ長調で勝利する音楽なんです。
ですから、この運命は勝利の音楽と言われている所以なんです。
第3楽章で出てきた上向系の運命の動機が何度も何度も出てきて勝利を祝ってくれます。さらにその後、トランペットが勝利を盛り上げるファンファーレが演奏されます。楽譜を添付しますね。
この音型はいろいろな作曲がいろいろな作品で使われており、ビゼーのカルメンでも印象的な部分で使われています。その部分の歌詞は「我々は自由だ!」と歌われており、「自由」を表現する音型であるわけです。
ベートーヴェンも恐怖や絶望に勝利して、自身の心の自由を勝ち取った瞬間として使われています。
そして最後はハ長調の和音を8回も演奏してこの曲は終わるのです。
最後の部分はみんなも聞いていて「しつこいな〜」「まだやるの?」なんて思ったこともあると思いますが、これまでのベートーヴェンのこの曲の意味を知ると、ベートーヴェンの勝利への喜びが、これでもか!という感じで表現されている事がわかると思います。
さて、今週はベートヴェン交響曲第5番ハ短調作品67について解説してきました。
ただ聞いているだけでは面白く無いクラシックも、こうやって意味を知ると飽きずに聴けるんではないですか?
もっともっと深い解説がたくさんあるんですが、とりあえず私なりにいつも思っていることを並べて見ました。
最後に私が小学生3年生の時にこの曲をラジオで聞いて、この時からクラシックにのめり込むことになったのですが、
その時の演奏は、ロリン・マゼール指揮のウイーンフィルハーモニーで日本来日公演の演奏でした。
いまだにロリン・マゼールの運命が一番好きなので、その動画のリンクを貼っておきますね。
https://www.youtube.com/watch?v=Oe2HaTzWayc