ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」第3楽章

ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」第3楽章

ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」第3楽章

2023/07/13

【ご注意】このブログはVIDEO-GOISのスタッフに向けて、クラシック音楽に親しんでもらい、作品のスキルアップを目指してもらうことを目的として開始されました。そのストックを公開しているもので、表現や内容、考え方について専門的なものではございませんのであらかじめご了承ください。



第3楽章は、希望に満ち溢れた第2楽章のイメージが消え去り、またまた第1楽章と同じハ短調で描かれています。

希望が消えてしまい、不安な気持ちを低音の弦楽器、チョロとコントラバスがこれを表現しています。

ここもやはり、ベートヴェンの心の葛藤が実によく表現されている部分です。


そしてその後、ホルンによって冒頭のジャジャジャジャーン と同じ運命の動機が演奏されます。

これは、希望を完全に打ち消す厳しいもので、現実を突きつけられる。世の中そんなに甘く無いぞ!現実は厳しいんだ!そんな感じの印象をこのホルンで表現しているように聞こえます。


第3楽章はそんなに長く無いのですが、内容はとても濃いんです。今のホルンによる運命の動機もそうですが、途中からはフーガ形式(ある決まったメロディーを独立したパートが何度も何度も演奏する形式)が登場するなど、聞きどころ満載なんですよ。

このフーガはハ短調だったものがハ長調へと変化し、またまたベートヴェンの前向きな気持ち、前に進んで生きていこう!みたいな感じになっていくんです。


特にこのフーガで聞きどころなのは、コントラバスによる主題の演奏。大きな楽器と大きな弓で忙しく演奏するところなんて見ていて迫力あって楽しい。

あと、このフーガの中に運命の動機と似たものが出てくるのですが、第1楽章の運命の動機は♪ソ・ソ・ソ・ミ〜と下降系だったものが、ここでは♪ソ・ラ・シ・ド、ソ・ラ・シ・ド、ソ・ラ・シ・ド。と上向系になっていて、勝利をも彷彿させる部分でもあります。


ところが、そんな前向きな気持ちも再び不安の中へ消え去っていくわけです。そして、第1楽章の運命の動機を思い起こさせるような、ティンパニーのつなぎを受けて、希望の第4楽章へと進んでいきます。第3楽章から第4楽章へは続けて演奏されます。

チャプターを入れるなら、トランペットのファンファーレがなる部分になりますね。


第3楽章〜4楽章

https://www.youtube.com/watch?v=1E9nfwuoops


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