ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」第1楽章
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」第1楽章
2023/07/11
【ご注意】このブログはVIDEO-GOISのスタッフに向けて、クラシック音楽に親しんでもらい、作品のスキルアップを目指してもらうことを目的として開始されました。そのストックを公開しているもので、表現や内容、考え方について専門的なものではございませんのであらかじめご了承ください。
さて、ベートーヴェン37歳の時にこの交響曲第5番は作られているんだけど、もうこの頃にはだいぶ耳が聞こえなくなっていて、自殺も考えていたんだよ。実際遺書も残されています。
ライバルの作曲家達に「あいつは耳が聞こえなくなって作曲家としては終わっている」なんていう噂を流される事を恐れたベートーヴェンは、人との接触を嫌い、ほぼ一人家にこもって、作曲を続けていたんだよね。
この時のベートーヴェンは、孤独と絶望のどん底にあったんだと思うよ。
その思いがこの曲に表現されているんだよ。
冒頭ハ短調で書かれているのが、悲壮感を醸し出していて、冒頭のジャジャジャジャーン、と言う四つの印象的な音。曲全体を通して何度も何度も形を変えて使われているんだよね。
日本では「運命の動機」と呼ばれる事が多いのですが、そのほかにも「V(勝利)の動機」と呼ばれることもあるんだよ。
あとから解説しますが、この曲の最後ではベートーヴェンが勝利するという物語で終わります。なので、勝利の音楽でもあるんだよね。
ちなみに「V」はローマ数字で5。5番目の交響曲。なんか運命を感じるね〜。
とにかく、絶望感とか、怒りや、孤独といった、マイナスな思いをこの四つの音に集約していたんだね。この運命の動機を、さまざまな楽器やバリエーションで表現して第一楽章は絶望のうちに終わっていくんだよ。
重い、重いね。
第一楽章