チューニングその2
チューニングその2
【ご注意】このブログはVIDEO-GOISのスタッフに向けて、クラシック音楽に親しんでもらい、作品のスキルアップを目指してもらうことを目的として開始されました。そのストックを公開しているもので、表現や内容、考え方について専門的なものではございませんのであらかじめご了承ください。
先日書いたチューニングの話の続き。
チューニングという言葉、最近は聞かなくなっのかも。主に周波数を合わせると言う意味で使われる事が多いんだけど。
CBCラジオにチューニングとか・・・。デジタルの世界ではもはや死語になるつつあるのかもね。
で、このチューニングと楽器と何が関係するかと言うと。
音って周波数で表す事ができるのは知っているかな?この辺の説明をすると長くなるので今回はやめておきますね。
音は波なんだけど、この周波数の違いによって「ド」になったり「レ」になったりするんだよ。
周波数が高くなると音階も上がると言う仕組みね。
で、音の基準を決めましょう!と言う事で国際機関が「ラ」の音を基準にする事を決めたのね。
この「ラ」は前に書いた通り、オーケストラがチューニングする時の音だよね。
でも同じ「ラ」でも周波数の微妙なずれで若干の音程が変わってきてしまうのね。
だから、前述の国際機関で「ラ」の音=440Hz と定めて世界に広がったわけ。
しかしこの基準も時代と共に変化してきて、現代は442Hzというのが一般的になっているんだよ。
周波数が高くなる=音が高くなると音楽が締まるというか、緊張感が際立つので、現代人はどんどん高い音に慣れてしまっているんだね。
余談ですが、吹奏楽は「B」(シのフラット)でチューニングするから、先生が442で合わせてというのは正確な発言ではないですね。442Hzはラですから。
計算すると468.164Hzになるので、「468.164で合わせて!」というのが正しいのかもね。めんどくせ。
ちなみにモーツアルト時代は422Hzとか、バッハのバロック時代は415Hzとも言われていて、半音ぐらい低い音をこの時代の人は聞いていたんだよね。
同じ音楽でもだいぶイメージが違ってくると思うよ。
なんで昔は低かったかというと、その理由はピアノやバイオリンに由来するんだけど、弦を引っ張る構造が今に比べて弱かったからみたいなんだよ。
ピアノは弦をいっぱい引っ張っているんだけど、この荷重は8tと言われてて、
昔の技術ではこれだけの力に耐えられる構造を作る事ができなかったんだね。
現代は442Hzが一般的と書きましたが、実はオーケストラによってこの基準は違ってきています。
NHK交響楽団などは442Hzですが、アメリカのオケは440Hz、ヨーロッパは逆に444Hzとか・・・
ベルリンフィルなんかは445Hzで演奏されています。
シカゴ交響楽団のあるフルート奏者がベルリンフィルに移籍したんだけど、結構感覚が違って大変だったんじゃないかな?と思うよ。
チューニングひとつとっても色々あって面白いね。